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HOLY MOTORS

みさなま こんばんは☆
さっきまで書きかけてた記事が飛んだ・・・(ノ_・、)
仕方ない、続けます・・・

久々の映画カテゴリ記事です
随分と長いこと、映画を観てなかったみたいで・・・
『ポンヌフの恋人』でお馴染みの(?)レオス・カラックスの作品を観てきました(^^)
※詳しい内容に触れます※




待ち焦がれた新作は、レオス・カラックスの映画への愛に満ちた映画だった

オープニングから「???」という疑問符で頭がいっぱいになり、不安になってくる
期待が大きいだけに、全然わからなかったらどうしよう?という思いがよぎる

ドニ・ラヴァンが演じる主人公は、誰からのオファーなのか不明のまま、
アポイントメントと呼ばれる「仕事」=「特定の役柄を演じること」を淡々とこなしていく
老女、モーションキャプチャーのスペシャリスト、殺し屋、ティーンエイジャーの娘の父親・・・etc
移動には長くて真っ白で、傷ひとつないリムジンを使う
この日のアポイントメントは9件
リムジンの中で着替えとメイクを完璧にして、現場に向かい、演じる姿を映画にした・・というと
「???」と思われるかもしれないけど、本当にこれがメインストーリー

オープニングの劇場の中で、映画を観ている観客が、
実際の観客(わたし達)と向かい合うようなアングルだったり
劇中で、「インターミッション(休止・中断の意)」が導入されることで、
「映画の中の映画なのかな?」と思わされる(が、具体的な説明は無い)

それにしてもドニ・ラヴァンの演技力の素晴らしさがすごい(ヘンな日本語?)
役者をしていない時の彼を全く知らないから、わたしにはとてもミステリアスに映る
彼の肉体から発するエネルギーは、凄まじいものがあった
彼はきっと自分の持ってるものをすべて注いで、この役を演じたに違いない
どの役もすごいんだけど・・やっぱりメルド役が最高

映画の詳しいストーリー(と呼ぶのも気が引けるくらいの映画)は、わたしの筆力が及ばないので
わたしが感じたことを書き連ねることしかできません

まずカラックスは、他の映画人よりもずっとずっと先を行っていたということ
突き抜けてしまっている感じ
映画を観ながら、その乱暴でありながら繊細な展開に、
ばしっと横っ面をはたかれたような衝撃に何度も襲われました
また出てくる女性が皆美しくて目を奪われます
その衣装もそれぞれの役柄にぴったりで、素敵でした

◆印象的なシーン・ことば◆
☆インターミッションのアコーディオン演奏
コチラを参考までにどうぞ!

これだけ観るとあんまりよさが伝わらないかな・・でもとにかくカッコいい
脈絡はないのだけど、このインターミッションがあるとすごくいい

☆年頃の娘の父親役の時のセリフ
ウソをついた娘に対して

「ウソを後悔してるか?」
「してる」
「本心なのか?パパを見ろ。バレないと思ったらまたウソをつくか?」
「たぶんそうする」
「なぜだ」
「その方が幸せだから」
(中略)
「私は罰を受ける?」
「そうだ。お前の罰は、
お前がお前として生きることだ」


この最後のセリフは、たぶんカラックスが自分で自分に思っていることばだと思いました

シリアスでありながら、ユーモアもあります
このへんがカラックスも歳を重ねたのかな・・という印象
いろいろ大変だけどさぁ、やっぱりお笑いも大事だよね、みたいな(違うかな・・)
でもやっぱりカラックスなので、エグいところも結構あります・・が、
どうしてかこのカラックスが撮ると、下品にならないのですね

カラックスは、どんな人でも自分というものを演じながら生きているとしています
わたしも、あなたも
演じ続ける主人公オスカーは、仕事(=演じること)を続ける動機を聞かれて、こう答えます
「行為の美しさ」の為だと
オスカーほどの完成度の高さはわたしたちには求められないかもしれないけど、
わたしたちも、一日が終わる時、ああ、今日もいつもと変わらない日だったと思う時
それはいつものわたし(世間が求める自分)を演じきれたと言えるのではないでしょうか
そこに行為の美しさは多少、あるんじゃないかな・・とわたしは思います

この映画の中には、映画ファンにはわかるたくさんの映画へのオマージュが隠されています
(古い映画もあるので、わたしは全部拾いきれませんでした)
またハリウッド映画のパロディもあり、映画史を感じさせる流れにもなっています
カラックスは本当に映画が好きなのでしょうね
そんな映画への愛情と、映画に対する憂い、そして彼自身の内側にあるものを
きちんとまとめあげることに成功した、とても面白い映画だと思います

あー、やっぱりうまくまとまらなかった!
映画ファンの方、とりあえずこの映画を観てみてください(^^)

by fotobella | 2013-05-10 01:42 | 映画  

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